[Squeak-ja: 2603] SSS2005

Takeshi FUJIOKA fujioka @ db.soc.i.kyoto-u.ac.jp
2005年 8月 25日 (木) 00:18:10 JST


堀川高校の藤岡です.ご無沙汰しております.

阿部様,ご紹介いただきありがとうございます↓

> 阿部@新百合です。
> 
> 2005/8/21-23に北海道で開催された情報処理学会・コンピュータと教育研究会情
> 報教育シンポジウム Summer Symposium in Shiribeshi 2005(SSS2005)で、京都大
> 学大学院の藤岡 健史 先生、高田 秀志 先生、喜多 一 先生の発表、「Squeak
> eToyを用いた問題解決型情報科学教育カリキュラムの開発と評価」が「SSS2005プ
> レゼンテーション賞」を受賞したようです。おめでとうございます。
> 
> http://ce.tt.tuat.ac.jp/index.php?SSS2005
> 
> たぶんTIDEや堀川高校での取り組みについてのものだと思うのですが、よろしけ
> れば内容を教えていただけると嬉しいです。


はい,これは堀川高校での取り組みについて発表したものです.

堀川高校には「探究基礎」という専門科目があります.
この授業(週2時間)で,生徒達は少人数ゼミ(〜15人程度)に所属し,
1年半の取組の集大成として生徒個人で研究論文を書くという取組を
行っています.

この「探究基礎」で私は情報ゼミを開講し,まずはじめに半年弱かけて
具体的なプロジェクトを通して,Squeak eToy の基礎を教えています.
このプロジェクトは,現実の問題解決を前提にしたものをできるだけ
とりいれるようにし,問題解決を体験的に学習することを通して
コンピュータを使う意義や特徴などを教えています.1年目の授業
アンケートでは,Squeak eToy はとても楽しいと答えた生徒が大半を占め,
高校生であってもはじめてプログラミングを学ぶ生徒達にとって
Squeak eToy は大変有効であることが示唆されました.

また,Squeak eToy と問題解決の基礎を学んだあとは,「探究基礎」の
最終Goalである個人研究と論文の作成に取り組みます.今回 SSS2005 で
報告した学年の生徒達はたいへん意欲的に取り組む生徒が多く,
本実践が始めてのプログラミング経験だったにも関わらず大変良い成果を
出した生徒もおり,(ひょっとしたらご存知の方もおられるかもしれませんが)
某科学賞で受賞した論文も出ました.↓
http://event.yomiuri.co.jp/2005/science_49th/04_shokai_04.htm

ただ良いことばかりではなく,課題も見つかっています.
(詳しくは論文にも掲載しておりますが)大きい問題の一つは
生徒間の差がかなり拡大してしまったことです.問題解決がなかなか
進まずに苦労した生徒もおり,学習環境・教材・指導法等を総合的に
改良した2年目(現在実践中)ではグループ学習を取り入れたり,
ポートフォリオをリフレクション(振り返り学習)に活用したりと
工夫を凝らしながら,生徒の問題解決能力を高めるカリキュラム
デザインをめざしております.


私の研究は実際の公立高校での実践をフィールドとしていることもあり
なかなか科学的な評価がしにくかったり結果が出るまでに時間がかかる
ことも多いのですが,ワークショップ等で実践経験豊富な Squeaker の
方々からもご意見をいただいたり助けていただきながら少しずつですが
進めています.(先日も京大のWSでも色々とお世話になりました.
ありがとうございます.) 今後ともまたお世話になるかと思いますが,
よろしくお願いいたします.

分かりにくい文章ですみません.簡単ながらご報告でした.


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 藤岡 健史 Takeshi FUJIOKA
 京都市立堀川高等学校 情報科・数学科
 http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horikawa/
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