[Squeak-ja: 3053] Re: Wiki としての SuperSwiki

Masashi Umezawa umejava @ mars.dti.ne.jp
2006年 7月 14日 (金) 10:41:21 JST


こんにちは
梅澤です。

> Smalltalk (Squeak) を使ってみて少し気になったのですが、Smalltalk は
> イメージファイルという環境で区切られた閉鎖的な環境ではないかと。
> Smalltalk の環境がネットワーク上で共有できるなら、それこそ、
> OpenDoc は簡単に実現できそうなものですが、今ひとつ残念です。
> Smalltalk の部品オブジェクトをネットワーク上でやり取りできれば、
> ポートレットなど朝飯前に作れますよね。

わりとこうしたコンセプトに近いものとして、Croquetというものがあります。
http://www.opencroquet.org/

3D画面が非常に派手なため、よくLooking GlassのSqueak版と勘違いされてしまう
のですが、単なる3DのUIではなく、その実態は分散コラボレーション環境です。

Croquetの下で動いているプロトコルはTeaTimeと呼ばれているものです。
これはオブジェクトレプリケーションプロトコルであり、オブジェクトのプール
(アイランドと呼ばれています)を、複数イメージ間で自動的に同期させることで
分散環境を実現しています。

http://www.opencroquet.org/Site%20PDFs/2005%20Hedgehog%20Architecture.pdf

分散オブジェクトというと、パフォーマンス上の問題、スケーラビリティのなさ
などで、現在は下火になってしまった技術ですが、レプリケーションが自動的に
行われるという前提ができると、状況は一気に変わってくると思っています。

従来の分散オブジェクトでは、メッセージ送信をローカルとリモートで本当に
透過的に行うことができませんでした。リモートのオブジェクトに対する送信は、
ローカルに比べ、何百倍も遅いものとなってしまっていたからです。オブジェクト
レプリケーションが行われる環境では、リモートに対するメッセージ送信は、
実はローカルのレプリカに対するものなので、ネットワークの制限を気にせずに
本当に透過的にメッセージ送信ができます。

イメージファイルを皆で共有するというのも、そろそろ夢ではなくなりつつ
あるのかもしれません。

> もっとも、こういう方面での成長をとげてこなった(だろう,想像で言ってます)
> 現在の Smalltalk の環境の場合、先に述べたようにセキュリティの面で
> 問題がありますよね。外部からくるオブジェクトがそのままウィルスにも
> なってしまい得る。その意味では、能力の大きいPostScriptに制限をかけて、
> PDFが作成されたように、ネットワーク環境向けに、能力に制限をかけられる
> 環境 (サンドバッグモデル) の開発が望まれるところですね。

アイランドというプール内にオブジェクトを入れてしまうことで、アイランド間の
メッセージ送信を制限するという試みがなされているところです。個人的には
この部分の仕組みはまだまだ弱いと感じていますが、開発は進んでいるところです。

> 
> Smalltalk がんばれ!
> 

伝統的に、GO Smalltalk! というフレーズがよく使われます。;-)

---
[:masashi | ^umezawa]



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