[Squeak-ja: 4392] Re: 日本語版SqueakとEtoyの違い

Korakurider korakurider @ gmail.com
2009年 10月 29日 (木) 13:12:30 JST


Korakuriderです、こんにちは。
Etoys4の開発に細々とボランティア参加していました。

2009/10/29 koike <mha03030 @ nifty.com>:
> 東京都市大学の小池です。
>
> 今年、研究室で
> Squeakの教育指導者向けの中級のチュートリアルを作ろうとしています。
>
> 小池研は高校生用のSqueakのチュートリアルを以前作りました。
>
> http://www.yc.tcu.ac.jp/~design/squeak/index.html
>
>
> 中級のチュートリアルの対象ですが、
> 日本のスクイークランドにある日本語版Squeak
>> Squeak.orgにあるEtoyのうち
    Squeakland.org ですよね。(ここでは、こちらの方を本家と呼びますね)
>
> Etoyにしようと考えています。
>
> この2つの違いと、どちらを基準にチュートリアルを作ったらいいのか
> アドバイスをいただけたらと思います。
  日本版スクイークランドにあるものは 本家で昔リリースしていた Squeakland2005
  と呼ばれるものに、若干の設定のカスタマイズやフォントなどの調整を加えたものです。

  その後、本家では OLPC対応版の開発が行われ、それが発展したものが現在本家で
  入手できる Etoys 4.0 と呼ばれるものです。ですから、現在の本家のものが後継バージョン
  ということになります。
  Etoys4は上位互換ということで開発されているので、古いバージョンのスクイークで作成した
  作品(プロジェクト)は、Etoys4で読み込めることになっています。ただ、逆はだめです。

    Etoys4とSqueakland2005Jでは、細かいところがかなり変わっていますね。
  主なものは リリースノートで説明されています。
   http://squeakland.org/news/newsletter/web.jsp?id=112#article7653

  画面下部のフラップから上部のツールバーへのUI変更とか、
  プロジェクトのロード・保存の画面、
  テストタイルや乱数タイルの出し方、 とかは普通のユーザにも目立つところです。

  ご存知かと思いますが、Squeakの開発はVPRIからSqueakland foundationに主体が移っていて、
  Etoys4はその新体制での最初のリリースで、全世界向けに、OLPCを含む全プラットフォーム
  用として出しています。改良された点もたくさんあります。逆に今後2005のメンテナンスが行われ
  ることは、自分で手を動かすとかでないと考えにくいと思います。

  ですから、作成されたコンテンツを海外やOLPCのユーザさんにも使ってもらおうとか、
  半年以上とかのレンジで今後に続くプロジェクトなのであれば、新しいのを使うのがよいと思います。
  使っていただいて、どしどしバグレポートを書いていただけるとうれしいです。

  ただ、なにせ出たところですから、まだ不都合もあるかもしれませんので、たとえば1ヶ月以内に
  ワークショップをするけど安全に進めたい、ということなら、Squeakland2005Jの方をお勧めし
  します。この古い枯れたバージョンを使うこと自体に、何も問題はないと思います。


  宮坂さんが開発されていた MTS版?(現在 http://d-mts.com/ で配布されています)は、
  本家の少し古いバージョン(Etoys3)に 、独自に日本向けの改良を加えられた
  ものです。Etoys4版はご検討中と聞きました。
  本家版だと、起動時にダイアログボックスで確認してフォントをロードしないといけないのですが、
  MTS版だと日本語フォントが最初からロードされて配布されているので、日本で一般に使うには
  MTS版のほうが使いやすいとは思います。

  海外ではSqueakland2005 の後  Etoys3というバージョンが出ていたのですが、
  日本では Squeakland2005 が出てから時間が止まっていました。宮坂さんのチームは新しい
  のをお使いだと思うのですが、古いバージョンを使われているところはまだまだ多いと思います。
  今Etoys3/4でコンテンツを作っても、そのバージョンを使っているところが
  日本にはまだ少ないという、過渡期の問題はあると思います。


  MTS版では、タイルや画面上の文言が一部修正されています。そのままだと、
  どちらのバージョンを使うかによっては、作られたチュートリアルと細かい違いが出る恐れがあります。
  この問題については、本家の日本語翻訳をMTS版にあわせることも含めて、宮坂さんと相談
  しているところでした(まだあまり進んでいませんが)。小池さんのところでも、「この翻訳はちょっと。。。」というような箇所を見つけられましたら、ご意見頂戴いただければ幸いです。

/Korakurider


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